【問題】
例題 次の2次不等式を解け。
(1) $$x^2 – 4x + 3 > 0$$
(2) $$x^2 – 3x – 4 \le 0$$
(3) $$-2x^2 + 4x + 3 > 0$$
(4) $$x^2 – 4x + 5 > 0$$
(5) $$x^2 – 4x + 4 \le 0$$
【解答】
- (1) $x 3$
 - (2) $-1 \le x \le 4$
 - (3) $\frac{2-\sqrt{10}}{2} < x < \frac{2+\sqrt{10}}{2}$
 - (4) すべての実数
 - (5) $x = 2$
 
導入
こんにちは、スマスクです! この記事では、高校数学の基本となる**「2次不等式」の解き方を、5つの代表的な例題を通して解説します。2次不等式は、グラフを使って考えると視覚的に理解しやすくなります。ポイントは、「対応する2次方程式の解」と「グラフの形」**から、不等式を満たす $x$ の範囲を見つけることです。ステップごとに丁寧に解説していきますので、一緒にマスターしていきましょう。
各問題の解説
考え方のポイント
2次不等式を解く基本的な手順は、以下の3ステップです。
- 関連する2次方程式を解く: まず、不等号を「=」に変えた2次方程式 $$ax^2+bx+c=0$$ を解き、グラフ $y=ax^2+bx+c$ がx軸と交わる点のx座標を求めます。
 - グラフの概形を描く: $x^2$ の係数 $a$ の符号から、グラフが下に凸か上に凸かを判断し、ステップ1で求めたx軸との交点(または接点、交わらない場合)をもとに簡単なグラフを描きます。
 - 不等号の条件から解の範囲を特定する: 描いたグラフを見て、元の不等号の条件(例えば $$> 0$$ ならグラフがx軸より上の部分)を満たす $x$ の範囲を読み取ります。
 
(1) $ x^2 – 4x + 3 > 0 $
詳しい解説: 最初に、対応する2次方程式を解きましょう。
ステップ1:方程式を解く $$x^2 – 4x + 3 = 0$$ 左辺を因数分解すると、 $$(x-1)(x-3)=0$$ よって、解は $$x = 1, 3$$ です。これは、グラフがx軸と $x=1$ および $x=3$ で交わることを示します。
ステップ2:グラフを描く $$y=x^2-4x+3$$ のグラフは、$ x^2 $ の係数が正なので下に凸です。x軸とは $x=1$ と $x=3$ で交わります。
ステップ3:範囲を答える 元の不等式は $$> 0$$ です。これはグラフがx軸より上にある部分に対応します。 グラフを見ると、$x=1$ より左側の部分と、$x=3$ より右側の部分がx軸より上にありますね。
答え: $x 3$
(2) $ x^2 – 3x – 4 \le 0 $
詳しい解説: 同様に、手順に沿って解いていきます。
ステップ1:方程式を解く $$x^2 – 3x – 4 = 0$$ 左辺を因数分解すると、 $$(x+1)(x-4)=0$$ よって、解は $$x = -1, 4$$ です。グラフはx軸と $x=-1$ と $x=4$ で交わります。
ステップ2:グラフを描く $$y=x^2-3x-4$$ のグラフは、 $x^2$ の係数が正なので下に凸です。
ステップ3:範囲を答える 元の不等式は $$\le 0$$ です。これはグラフがx軸上、またはx軸より下にある部分に対応します。 グラフを見ると、$x=-1$ から $x=4$ までの間(x軸上の点も含む)が条件を満たしています。
答え: $-1 \le x \le 4$
(3) $ -2x^2 + 4x + 3 > 0 $
詳しい解説: $x^2$ の係数が負の場合も見てみましょう。
ステップ1:方程式を解く $$-2x^2 + 4x + 3 = 0$$ このまま解いても良いですが、 $x^2$ の係数を正にするために両辺に-1を掛けると計算しやすいです。 $$2x^2 – 4x – 3 = 0$$ 因数分解が難しそうなので、解の公式を使います。
【解の公式】 2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解 $$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$$
$a=2, b=-4, c=-3$ を代入します。 $$x = \frac{-(-4) \pm \sqrt{(-4)^2 – 4(2)(-3)}}{2(2)}$$
$$= \frac{4 \pm \sqrt{16 + 24}}{4} = \frac{4 \pm \sqrt{40}}{4}$$ $\sqrt{40} = 2\sqrt{10}$ なので、 $$= \frac{4 \pm 2\sqrt{10}}{4} = \frac{2 \pm \sqrt{10}}{2}$$ よって、x軸との交点は $x = \frac{2-\sqrt{10}}{2}, \frac{2+\sqrt{10}}{2}$ です。
ステップ2:グラフを描く 元の式 $$y=-2x^2+4x+3$$ のグラフは、$ x^2 $ の係数が負なので上に凸です。
ステップ3:範囲を答える 不等式は $$> 0$$ なので、グラフがx軸より上にある部分を探します。 グラフから、2つの交点の間が条件を満たします。
答え: $\frac{2-\sqrt{10}}{2} < x < \frac{2+\sqrt{10}}{2}$
(4) $ x^2 – 4x + 5 > 0 $
詳しい解説: 少し特殊なケースです。
ステップ1:方程式を解く(判別式を確認) $$x^2 – 4x + 5 = 0$$ を解こうとします。まずは判別式 $ D $ を計算して、実数解があるか確認しましょう。 $$D = b^2 – 4ac$$ $a=1, b=-4, c=5$ を代入すると、 $$D = (-4)^2 – 4(1)(5) = 16 – 20 = -4$$ 判別式 $D$ が負になりました。これは、方程式に実数解がない、つまりグラフがx軸と交わらないことを意味します。
ステップ2:グラフを描く $$y=x^2-4x+5$$ のグラフは、$ x^2 $ の係数が正なので下に凸で、x軸と交わりません。 (平方完成すると $$y=(x-2)^2+1$$ となり、頂点が $(2, 1)$ でx軸の上に浮いていることが確認できます。)
ステップ3:範囲を答える 不等式は $$> 0$$ です。グラフがx軸より上にある部分を探します。 グラフを見ると、この放物線は常にx軸より上にありますね。 ということは、どんな実数 $x$ に対しても、この不等式は成り立ちます。
答え: すべての実数
(5) $ x^2 – 4x + 4 \le 0 $
詳しい解説: こちらも特殊なケースです。
ステップ1:方程式を解く $$x^2 – 4x + 4 = 0$$ これは $$(x-2)^2 = 0$$ と因数分解できるので、解は $x=2$ の一つだけ(重解)です。これはグラフがx軸に接することを意味します。
ステップ2:グラフを描く $$y=x^2-4x+4$$ のグラフは、$ x^2 $ の係数が正なので下に凸で、x軸に *$ x=2 $ で接して*\います。
ステップ3:範囲を答える 不等式は $$\le 0$$ です。グラフがx軸上、またはx軸より下にある部分を探します。 グラフを見ると、x軸より下にある部分はありません。x軸上にある点は、接点である $x=2$ の一点だけです。 したがって、この不等式を満たすのは
答え: $x = 2$
のみとなります。
結論
2次不等式を解くための3ステップを確認しましょう。
- 方程式を解く: グラフとx軸の交点を求める(判別式も有効活用!)📝。
 - グラフを描く: 凸の向きと交点(または接点)をもとに概形を描く ✍️。
 - 範囲を読み取る: 不等号の条件に合わせて、グラフからxの範囲を答える 🎯。
 
グラフとx軸の関係(2点で交わる、接する、交わらない)と、不等号の向きによって、解の形が変わることをしっかり理解しておきましょう。
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今回の2次不等式の解説、いかがでしたか?グラフを使った解き方のイメージは掴めましたか?😊 「判別式を使うタイミングがまだよくわからない…」「解の公式の計算が苦手…」「グラフを描くのが難しい…」 そんな疑問や不安が少しでも残っていたら、ぜひスマスク先生のLINE公式アカウントに気軽に質問してみてください!
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