2次関数 f(x) = x^2 + 2ax + 3a^2 – 4 の区間 0 ≦ x ≦ 4 における最大値と最小値を求める計算

**【問題】**

$ a $を定数とする。2次関数$ f(x) = x^2 + 2ax + 3a^2 – 4 $ の区間 $0 \le x \le 4$ における最大値を $ M $, 最小値を$ m $ とする。

(1) $a=-1$ のとき、 $ M = $ [ ア ], $ m = $ [ イウ ] である。
(2) 放物線 $y=f(x)$ の頂点の座標は ( [ エ ] $ a $, [ オ ]$ a^2 $- [ カ ]) であるから、最大値$ M $ は
$ a < $ [ キク ] のとき $ M = $ [ ケ ] $a^2$ – [ コ ] $a \ge$ [ キク ] のとき $ M = $ [ サ ] $a^2$ + [ シ ] $a$ + [ スセ ] となる。 また、最小値 $m$ は $ a < $ [ ソタ ] のとき $ m = $ [ チ ] $a^2$ + [ ツ ] $a$ + [ テト ] [ ソタ ] $\le a <$ [ ナ ] のとき $ m = $ [ ニ ] $a^2$ – [ ヌ ] $a \ge$ [ ナ ] のとき $ m = $ [ ネ ] $a^2$ – [ ノ ] となる。 (3) $a$ の値が変化するとき、 $M-m$ は $ a = $ [ ハヒ ] のとき最小値 [ フ ] をとる。 — ### **【解答】** * **ア**: 7 * **イウ**: -2 * **エ**: – * **オ**: 2 * **カ**: 4 * **キク**: -2 * **ケ**: 3 * **コ**: 4 * **サ**: 3 * **シ**: 8 * **スセ**: 12 * **ソタ**: -4 * **チ**: 3 * **ツ**: 8 * **テト**: 12 * **ナ**: 0 * **ニ**: 2 * **ヌ**: 4 * **ネ**: 3 * **ノ**: 4 * **ハヒ**: -2 * **フ**: 4 (※解答欄の「8」とは異なります) — ### **導入** この記事では、**定義域が固定**されている一方で、**軸の位置が文字 $a$ によって動く**2次関数の最大値 $M$ と最小値 $m$ を求める問題について解説します 📊。 さらに、その最大値と最小値の差 $M-m$ が最小になるときの $a$ の値まで求めていきます。 問題を解くカギは、**軸の位置**による**丁寧な場合分け**です。一つ一つのステップをしっかり理解していきましょう。 — ### **各問題の解説** #### **考え方のポイント** まず、与えられた2次関数 $f(x) = x^2 + 2ax + 3a^2 – 4$ の軸と頂点を求めるために、**平方完成**を行います 📝。 $$f(x) = (x^2 + 2ax) + 3a^2 – 4$$ $$= \{(x+a)^2 – a^2\} + 3a^2 – 4$$ $$= (x+a)^2 + 2a^2 – 4$$ この結果から、グラフは**軸が直線 $x = -a$ で、頂点が $(-a, 2a^2-4)$ の下に凸な放物線**であることが分かります。 定義域は $0 \le x \le 4$ で固定されています。 — #### **(1) $a=-1$ のときの最大値・最小値** **答え**: ア=7, イウ=-2 **詳しい解説**: $a=-1$ の場合を考えます。 まず、関数 $ f(x) $ に $a=-1$ を代入します。 $$f(x) = x^2 + 2(-1)x + 3(-1)^2 – 4 = x^2 – 2x + 3 – 4 = x^2 – 2x – 1$$ 次に、平方完成して軸と頂点を求めます。 $$f(x) = (x-1)^2 – 1^2 – 1 = (x-1)^2 – 2$$ 軸は $ x=1 $、頂点は $(1, -2)$ です。 定義域は $0 \le x \le 4$ です。 * **最小値 $ m $**: 軸 $x=1$ は定義域 $0 \le x \le 4$ の中にあります。下に凸のグラフなので、**頂点 $x=1$ で最小値**をとります。 $$m = f(1) = (1-1)^2 – 2 = -2$$ よって **イウ = -2**。 * **最大値 $ M $**: 軸 $x=1$ から最も遠いのは定義域の右端 $x=4$ です。ここで最大値をとります。 $$M = f(4) = (4-1)^2 – 2 = 3^2 – 2 = 9 – 2 = 7$$ よって **ア = 7**。 (※問題用紙に書き込まれた解答例とは異なりますが、計算結果に基づき進めます。) — #### **(2) 最大値 M と最小値 m を a で表す** **答え**: * **頂点の座標**: エ=-, オ=2, カ=4 $\implies (-a, 2a^2-4)$ * **最大値 $ M $**: * キク=-2 $\implies a < -2$ のとき $ M = $ケ=3, コ=4$ \implies 3a^2-4 $ * $a \ge -2$ のとき $ M = $サ=3, シ=8, スセ=12$ \implies 3a^2+8a+12 $ * **最小値 $ m $**: * ソタ=-4 $\implies a < -4$ のとき $ m = $チ=3, ツ=8, テト=12$ \implies 3a^2+8a+12 $ * ナ=0$ \implies -4 \le a 2 $, つまり $a 4 $, つまり $a < -4$) の場合**: グラフは定義域内で右下がりになるので、**右端 $x=4$ で最小値**をとります。 $$m = f(4) = \bf{3a^2+8a+12}$$ ( **ソタ=-4, チ=3, ツ=8, テト=12** ) * **[2] 軸が定義域の中 ($ 0 \le -a \le 4 $, つまり $-4 \le a \le 0$) の場合**: 定義域に頂点が含まれるので、**頂点 $x=-a$ で最小値**をとります。頂点のy座標は $2a^2-4$ です。 $$m = f(-a) = \bf{2a^2-4}$$ ( **ナ=0, ニ=2, ヌ=4** ) * **[3] 軸が定義域より左 ($ -a 0 $) の場合**:
グラフは定義域内で右上がりになるので、**左端 $x=0$ で最小値**をとります。

$$m = f(0) = \bf{3a^2-4}$$
( **ネ=3, ノ=4** )
(※ $a=0$ のときは [2] と [3] の式が一致するので、$ a \ge 0 $ でまとめられます。)


#### **(3) $M-m$ の最小値**

**答え**: ハヒ=-2, フ=4 (※解答欄の「8」とは異なります)

**詳しい解説**:
$M$ と $m$ の場合分けの境界値 $-4, -2, 0$ をもとに、$ M-m $を$ a $ の範囲ごとに計算します。

* **[1] $a < -4$ のとき**: $M = 3a^2-4$ $m = 3a^2+8a+12$ $$M-m = (3a^2-4) – (3a^2+8a+12) = -8a-16$$ * **[2] $-4 \le a < -2$ のとき**: $M = 3a^2-4$ $m = 2a^2-4$ $$M-m = (3a^2-4) – (2a^2-4) = a^2$$ * **[3] $-2 \le a < 0$ のとき**: $M = 3a^2+8a+12$ $m = 2a^2-4$ $$M-m = (3a^2+8a+12) – (2a^2-4) = a^2+8a+16 = (a+4)^2$$ * **[4] $a \ge 0$ のとき**: $M = 3a^2+8a+12$ $m = 3a^2-4$ $$M-m = (3a^2+8a+12) – (3a^2-4) = 8a+16$$ これらの結果を $a$ の範囲ごとにグラフに描いて最小値を探します。 * $ a < -4 $: $y = -8a-16$ (右下がりの直線)。 $a \to -4$ のとき $y \to 16$ 。 * $ -4 \le a < -2 $: $y = a^2$ (放物線の一部)。 $a=-4$ で $y=16$ 、 $a=-2$ で $y=4$ 。 * $ -2 \le a < 0 $: $y = (a+4)^2$ (放物線の一部)。 $a=-2$ で $y=4$ 、 $a=0$ で $y=16$ 。 * $ a \ge 0 $: $y = 8a+16$ (右上がりの直線)。 $a=0$ のとき $y=16$ 。 [Image plotting M-m based on the calculated piecewise function] これらのグラフをつなげると、$ M-m $ は **$ a=-2 $ のときに最小値 $ 4 $** をとることがわかります。 (注:問題の解答欄がフ=8となっている場合、問題文や解答欄に誤りがある可能性があります。) — ### **結論** * 軸が動く2次関数の最大・最小問題では、まず**平方完成**して軸の位置を把握します 🎯。 * **最大値**は、**定義域の中央**と**軸の位置**を比較して、軸から遠い方の端で決まります。 * **最小値**は、**軸が定義域の左外か、内部か、右外か**で場合分けして考えます 🤔。 * $M-m$ の最小値を求めるには、$ a $ の範囲ごとに $M-m$ の式を求め、そのグラフを考えることで見つけることができます 📈。 * 計算ミスに注意し、場合分けの境界となる $a$ の値にも注意が必要です。

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### **問題**

テニスの選手 A, B の年間の対戦成績は,A の 23 勝 13 敗であった。両選手の力に差があると判断してよいか。有意水準 5 %で検定せよ。

a+b の期待値

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