【数学II解説】1の3乗根オメガ($\omega$)の性質と使い方は?高次式の次数下げと計算問題を完全攻略

【問題】

練習問題1:高次式の次数下げと分数の計算

1の3乗根のうち、虚数であるものの1つを $\omega$ とするとき、次の式の値を求めよ。

$$ \left( 1 \right) \quad \omega^{100} + \omega^{50} + 1 $$

$$ \left( 2 \right) \quad \frac{\omega^2}{1-\omega} + \frac{\omega}{1-\omega^2} $$


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解説を読む前に、まずは紙とペンを用意して、自分の力で答えを出してみましょう。

「 $\omega$ の公式、なんだっけ?」と思い出しながら、まずは手を動かしてみることが大切です。 準備はいいですか?

それでは、解説を始めます。ちゃんと自分の力で解いてみましたか?


【解説】 1の3乗根 $\omega$ の性質 \&SEOキーワード

こんにちは!スマスクの数学講師です。

今回のテーマは、数学IIの「複素数と方程式」分野から、1の3乗根 $ \omega $(オメガ) に関する計算問題です。 この $\omega$ の問題、定期テストや入試で頻出ですが、実はたった2つの性質を使いこなすだけで、魔法のように簡単に解けてしまうんです。

多くの生徒が $\omega^{100}$ のような大きな数字を見た瞬間に「うわっ、計算大変そう…」と引いてしまいますが、それは非常にもったいない! プロ講師として断言しますが、この単元は**「知っているか知らないか」だけのボーナスステージ**です。

解くための最強の武器(性質)は以下の2つです。これだけは絶対に覚えておきましょう。

  1. 3乗すると1になる: $$ $$ $$ $$ \omega^3 = 1 $$ $$ $$ $$
  2. 2次方程式 $x^2+x+1=0$ の解である: $$ $$ $$ $$ \omega^2 + \omega + 1 = 0 $$ $$ $$ $$

この2つを使って、「次数を下げる」ことと「式を簡単にする」ことがポイントです。 それでは、実際に解いていきましょう。

(1) 高次式の次数下げ

$$ \omega^{100} + \omega^{50} + 1 $$

まずは、とてつもなく大きい指数(100乗や50乗)を小さくします(次数下げ)。 ここで使うのが $ \omega^3 = 1 $ という性質です。 3乗のカタマリを作れば、それは全部「1」になって消えてくれます。

  • $ \omega^{100} $ の処理: 100を3で割ると、商が33で余りが1です。つまり、

    $$ $$

    $$ $$

    \omega^{100} = \left( \omega^3 \right)^{33} \times \omega^1 = 1^{33} \times \omega = \omega

    $$ $$

    $$ $$

    なんと、ただの $\omega$ になりました!

  • $ \omega^{50} $ の処理: 50を3で割ると、商が16で余りが2です。つまり、

    $$ $$

    $$ $$

    \omega^{50} = \left( \omega^3 \right)^{16} \times \omega^2 = 1^{16} \times \omega^2 = \omega^2

    $$ $$

    $$ $$

    こちらは $\omega^2$ になりました。

これらを元の式に戻すと、

$$ \omega + \omega^2 + 1 $$

順番を入れ替えると、

$$ \omega^2 + \omega + 1 $$

となります。 ここで、もう一つの性質 $ \omega^2 + \omega + 1 = 0 $ を思い出してください。 まさにこの形そのものですね!

(2) 分数式の計算と通分

$$ \frac{\omega^2}{1-\omega} + \frac{\omega}{1-\omega^2} $$

分数の足し算なので、まずは通分をしましょう。 分母を揃えるために、お互いの分母を掛け合わせます。

共通の分母は:

$$ \left( 1-\omega \right)\left( 1-\omega^2 \right) $$

これを展開して整理してみましょう。

$$ 1 – \omega^2 – \omega + \omega^3 $$

ここで、$ \omega^3 = 1 $ なので、

$$ 1 – \left( \omega^2 + \omega \right) + 1 = 2 – \left( \omega^2 + \omega \right) $$

さらに、$ \omega^2 + \omega + 1 = 0 $ より、$ \omega^2 + \omega = -1 $ ですね。これを代入すると、

$$ 2 – \left( -1 \right) = 3 $$

なんと、分母はただの「3」 になりました!

次に分子を計算します。たすき掛けのように掛け合わせます。

$$ \text{分子} = \omega^2\left( 1-\omega^2 \right) + \omega\left( 1-\omega \right) $$

展開すると、

$$ \omega^2 – \omega^4 + \omega – \omega^2 $$

$\omega^2$ と $-\omega^2$ で消えますね。残るのは、

$$ -\omega^4 + \omega $$

ここで、$ \omega^4 $ の次数を下げます。$ \omega^4 = \omega^3 \times \omega = 1 \times \omega = \omega $ なので、

$$ -\omega + \omega = 0 $$

分子は「0」 になりました!

よって、答えはどうなるでしょうか?

【解答】

$\omega$ は1の3乗根のうち虚数であるものなので、以下の性質を持つ。

$$ \omega^3 = 1, \quad \omega^2 + \omega + 1 = 0 $$

$ \left( 1 \right) $

$$ \omega^{100} = \left( \omega^3 \right)^{33} \cdot \omega = 1^{33} \cdot \omega = \omega $$

$$ \omega^{50} = \left( \omega^3 \right)^{16} \cdot \omega^2 = 1^{16} \cdot \omega^2 = \omega^2 $$

よって、

$$ \omega^{100} + \omega^{50} + 1 = \omega + \omega^2 + 1 = \omega^2 + \omega + 1 = 0 $$

答え: $ 0 $

$ \left( 2 \right) $ 通分して計算する。

$$ \begin{align} \text{与式} &= \frac{\omega^2\left( 1-\omega^2 \right) + \omega\left( 1-\omega \right)}{\left( 1-\omega \right)\left( 1-\omega^2 \right)} \ &= \frac{\omega^2 – \omega^4 + \omega – \omega^2}{1 – \omega^2 – \omega + \omega^3} \ &= \frac{-\omega^4 + \omega}{1 – \left( \omega^2 + \omega \right) + 1} \end{align} $$

ここで、$ \omega^4 = \omega^3 \cdot \omega = \omega $、$ \omega^2 + \omega = -1 $、$ \omega^3 = 1 $ を用いると、

$$ \begin{align} \text{与式} &= \frac{-\omega + \omega}{1 – \left( -1 \right) + 1} \ &= \frac{0}{3} \ &= 0 \end{align} $$

答え: $ 0 $

【まとめ】 \&SEOキーワード

  • **$ \omega $の2大性質**:$ \omega^3 = 1 $ と $\omega^2 + \omega + 1 = 0$ を必ず最初に書き出す。
  • 次数下げ: 指数が大きいときは、3で割った余りの次数に変換する($ \omega^3=1 $ の利用)。
  • 値の代入: $\omega^2 + \omega = -1$ などの変形を利用して、式を数字に置き換えていく。

【解き直しのすすめ】 \&SEOキーワード

解説を読んで「なんだ、両方とも答えは0か。簡単だな」と思いませんでしたか?

実は、「答えが0や1などのきれいな数字になる」と知ってしまった後では、計算練習の効果が半減してしまいます。 試験本番では、答えが予測できない状態で、正確に $\omega^4$ を処理したり、符号ミスなく通分したりしなければなりません。

多くの生徒が、ここでの「符号ミス」や「$ \omega^2 + \omega $ の変換ミス」で点数を落としています。

今すぐこの画面を閉じて、白紙の状態からもう一度計算式を書いてみてください。 特に(2)の通分の過程を、途中で手を止めずにスラスラ書ききれるかどうかが勝負です。 それができて初めて、あなたの実力になります!

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